総務省統計局の家計調査(2023年〜2025年平均、二人以上の世帯)によると、1世帯あたりのケチャップ年間支出額で全国トップに立ったのは岐阜市でした。
都道府県庁所在市および政令指定都市を対象にしたランキングで、その支出額は約900円。他都市を大きく引き離しての1位です。
なぜ岐阜市の家庭はこれほどケチャップを使うのでしょうか。背景には、岐阜ならではの喫茶店文化が深く関わっていました。
岐阜市がケチャップ年間支出額で全国1位に
総務省の家計調査は、全国の都道府県庁所在市と政令指定都市を対象に、品目別の年間支出金額や購入数量を毎年集計しています。2023年から2025年の平均データをまとめたランキングでは、ケチャップの1世帯あたり年間支出額で岐阜市が全国1位となりました。金額は約900円で、全国平均を大きく上回る結果です。
この調査は二人以上の世帯を対象にしたもので、単なる一時的な数字ではなく、複数年の平均から見えてきた傾向という点も見逃せません。つまり岐阜市の家庭では、ここ数年にわたって安定的にケチャップの購入量が多いということになります。
なぜ岐阜市はケチャップをよく使うのか、モーニング文化とナポリタン人気
岐阜市を含む岐阜県・愛知県エリアは、喫茶店の「モーニングサービス」文化が根付いている地域として知られています。
ドリンク1杯を注文するだけでトーストやゆで卵などが無料でついてくるこのサービスは、かつて岐阜で盛んだった繊維産業の商談の場として喫茶店が使われたことをきっかけに広まったといわれています。
このモーニング文化のなかで定番メニューのひとつになっているのが、ケチャップ味のナポリタンです。
岐阜市内の喫茶店では、コッペパンに挟んだナポリタンや、ボリュームたっぷりのナポリタンモーニングを提供する店が多く見られます。外食だけでなく家庭でもナポリタンや洋食メニューをつくる機会が多いことが、ケチャップの購入量を押し上げている一因と考えられます。
岐阜の"ケチャップ愛"を支えるご当地ブランド
岐阜県内には、地元産トマトを使ったケチャップをつくる小さなメーカーもあります。
郡上市明宝地区の「明宝トマトケチャップ」は、規格外で市場に出せなかったトマトを活用するために、地域の女性グループが1992年から手づくりで製造しているケチャップです。岐阜県産トマト「桃太郎」の果汁を100%使い、着色料や保存料を加えていないのが特徴です。
また、揖斐郡池田町の細野ファームでは、自社で育てたトマトを100%使ったケチャップを製造しており、こちらは星付きホテルのレストランでも採用された実績があります。どちらも産地直送のオンラインショップから取り寄せが可能です。
岐阜市のケチャップ好きは、喫茶店のモーニングという"外の文化"と、県内産トマトを活かしたご当地ブランドという"つくり手のこだわり"の両方に支えられているといえそうです。
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