くらし・社会

【都道府県ランキング】飲酒代No.1は東京都!家計調査が映す"外飲み"文化のリアル

2026年8月9日

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【都道府県ランキング】飲酒代No.1は東京都!家計調査が映す"外飲み"文化のリアル

外食で使うお金といえば、食事代や喫茶代を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

ですが総務省の家計調査には「飲酒代」という独立した項目があります。居酒屋やバーでの一杯、そしてそれに伴う料理代や飲み会の会費まで含む、いわば"外で飲む"ためだけの支出です。

この飲酒代、1世帯あたりの年間支出額で日本一なのが東京都(東京都区部)です。
2023年から2025年の3年平均で36,241円と、全国の都道府県庁所在市・政令指定都市のなかでトップに立っています。
しかも、この数字を詳しく見ていくと、単純な「東京独走」では片づけられない、もうひとつの物語が見えてきました。単年ごとのランキングを追うと、なんと2024年・2025年は熊本市が首位に立っていたのです。

数字の裏側にある理由と、暮らしのリアルまで掘り下げていきます。

東京都が飲酒代日本一である理由

家計調査の「飲酒代」は、居酒屋やバーなどでの飲酒代金と、それに伴う料理代、飲酒を目的とした諸会費までを合算した項目です。自宅で飲むために買う「酒類」(ビールや日本酒などの購入費)とは別勘定になっている点がポイントで、いわば"外飲み"だけを切り出した支出額といえます。

東京都区部はこの飲酒代で、2023〜2025年の3年平均36,241円を記録し、全国の都道府県庁所在市・政令指定都市のなかで1位でした。

背景として、まず単純に飲食店の数そのものが多く、仕事帰りに立ち寄れる居酒屋やバーの選択肢が圧倒的に豊富なことが挙げられます。加えて、東京都は昼間人口が夜間人口を大きく上回る"通勤都市"でもあります。
神奈川県や埼玉県、千葉県など近隣県から働きに来ている人たちが、仕事帰りに都内で一杯やってから帰る、というケースも少なくありません。つまり東京都区部の飲酒代には、東京都民だけでなく首都圏全体の"外飲み需要"が集約されている面があるのです。

実は東京都は"3年平均"の1位。単年では熊本市が逆転していた

ここからが本題です。総務省の家計調査を年ごとに見ていくと、飲酒代ランキングの首位はこの数年で入れ替わっていることがわかります。

  • 2023年:1位 東京都区部/2位 高知市/3位 さいたま市
  • 2024年:1位 熊本市/2位 東京都区部/3位 さいたま市
  • 2025年:1位 熊本市/2位 東京都区部/3位 さいたま市

つまり2023年は東京都区部がトップでしたが、2024年・2025年は熊本市が首位に立ち、東京都区部は2位に後退しているのです。それでも2023〜2025年の3年平均で見ると、2023年の数字の大きさが効いて東京都区部が総合1位という結果になりました。

「日本一」の看板は3年平均という公式集計に基づくものですが、直近2年だけを見れば、実は熊本市のほうが勢いに乗っているというのが実情です。

熊本市が上位に来る背景には、九州全体に根づく"外で飲む"文化があります。
焼酎の産地として知られる九州は、宮崎市・鹿児島市・熊本市など上位を九州勢が占める傾向が家計調査のほかの酒類項目でも見られ、地元での付き合い・飲み会文化が根強いことがうかがえます。
東京都のように"人が集まるから"外飲みが多いのか、熊本市のように"飲む文化が根づいているから"外飲みが多いのか、同じ1位でも背景が異なる点が興味深いところです。

関連する行政施策・制度:飲酒代は酒税と軽減税率の外側にある

飲酒代の金額を左右する制度面の話にも触れておきます。

まず、居酒屋やバーで飲む酒類には消費税の軽減税率(8%)が適用されず、標準税率10%が課されます。テイクアウトであっても酒類は軽減税率の対象外です。つまり外食での飲酒代は、食事代よりも一段階、税負担の重いお金の使い方ともいえます。

さらに、酒税そのものも近年見直しが続いています。
ビールや発泡酒、いわゆる「第3のビール」の税率差を段階的になくす酒税改正が進んでおり、醸造酒類の税率は2023年10月に1キロリットルあたり10万円に一本化され、ビール系飲料についても2026年10月に1klあたり15万5,000円へ一本化される予定です。税率差が縮まることで、居酒屋のメニュー構成や価格設定にも今後じわじわと影響が及ぶと見られています。

暮らしのリアル:コロナ禍で逆転した"家飲み"と"外飲み"

飲酒代の推移を振り返ると、新型コロナウイルスの影響が色濃く出た時期がありました。

経済産業省の分析によれば、外食の飲酒代は2019年の19,891円から2020年には9,403円へと52.7%も落ち込んだ一方、自宅で飲むための酒類消費は同じ期間に40,721円から46,276円へ13.6%増加しています。外で飲めない分、家で飲むお金が増えた、というわかりやすい逆転劇です。

今回取り上げている2023〜2025年のデータは、まさにその反動が進んだ時期にあたります。
飲み会や忘年会、歓送迎会といった"集まって飲む"機会が徐々に戻り、外食としての飲酒代が再び存在感を増してきた時期と重なるのです。東京都区部で外飲み需要が高止まりしているのも、コロナ前の日常が戻りつつある一つの表れといえるかもしれません。

まとめ

飲酒代の年間支出額日本一は、2023〜2025年の3年平均で見ると東京都(東京都区部)でした。
飲食店の集積と首都圏からの通勤者による"外飲み需要"が、この数字を押し上げています。

ただし単年で見れば2024年・2025年は熊本市が首位に立っており、九州らしい飲み会文化が背景にあることもわかりました。
酒税制度や軽減税率の仕組み、コロナ禍で一時的に逆転した家飲み・外飲みの構図まで含めて眺めると、飲酒代という一つの数字の裏に、日本各地の暮らし方の違いがくっきりと浮かび上がってきます。

出典

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