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【都道府県ランキング】温水洗浄便座普及率No.1は滋賀県!77.8%を支える理由と暮らしのリアル

2026年8月11日

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【都道府県ランキング】温水洗浄便座普及率No.1は滋賀県!77.8%を支える理由と暮らしのリアル

温水洗浄便座の普及率で日本一なのが滋賀県です。世帯普及率は77.8%で、全国平均64.1%を大きく上回り、2位の富山県(75.8%)、3位の福井県(74.9%)を抑えての堂々のトップです。

数字の裏には、滋賀県ならではの高い持ち家率や、内陸工業県としての経済力がありました。
なぜこの数字が生まれたのか、県内トップの市町の実情、そして琵琶湖と共に生きてきた滋賀県民の暮らしぶりまで、じっくり深掘りします。

滋賀県が温水洗浄便座普及率日本一である理由

まずはデータから見てみましょう。

総務省「平成26年全国消費実態調査」(世帯ベース、都道府県別の温水洗浄便座普及率としては現時点で最新の全国調査データ)によると、滋賀県の普及率は77.8%。2位富山県75.8%、3位福井県74.9%、全国平均64.1%という結果です(出典:温水洗浄便座普及率(都道府県データランキング)|都道府県市区町村)。

実は、滋賀県が1位に立ったのは近年になってからのことです。
ひとつ前の平成21年(2009年)調査(二人以上世帯ベース)では、1位は富山県81.9%で、滋賀県は75.4%の8位に過ぎませんでした。わずか5年ほどの間に、滋賀県が富山県を逆転してトップに躍り出たことになります。ちょっとした"下克上"が起きていたわけです(出典:都道府県別ウォシュレット普及率|とどラン)。

では、なぜ滋賀県がここまで伸びたのか。

ひとつは、持ち家率の高さです。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、滋賀県の持ち家住宅率は70.9%で、全国平均60.9%を大きく上回ります。持ち家であれば、水回りのリフォームや設備投資に踏み切りやすいもの。賃貸住宅では大家の許可なくトイレを交換できないケースが多いのに対し、持ち家世帯の多い滋賀県では設備投資のハードルが低いと考えられます。
持ち家率が日本一の県については、秋田県の記事でも詳しく取り上げているので、あわせてご覧ください。

もうひとつは、経済的な余裕です。
滋賀県は県内総生産に占める第2次産業の割合が46.9%で全国1位という、全国有数の内陸工業県。有業率も62.8%で全国3位と高く、共働き世帯も多い土地柄です(出典:滋賀県「滋賀県なんでも一番」)。

さらに、滋賀県は住宅設備全般に強い県でもあります。
同じ全国消費実態調査で床暖房の普及率も14.2%で全国5位、IHクッキングヒーターも全国6位という結果でした。
トイレだけでなく、家じゅうの設備投資に前向きな県民性がうかがえます。持ち家率の高さと経済力、この2つがかけ合わさって、温水洗浄便座普及率日本一という記録が生まれたというわけです。

県内トップは「データなし」。持ち家率で見ると米原市が突出

では、滋賀県の中でも「本当のNo.1」はどこなのでしょうか。

結論から言うと、温水洗浄便座そのものの市町別データは、総務省の調査でも滋賀県の公式統計でも公表されていません(世帯数の少ない市町単位まで分解すると標本数が足りず、統計として成り立たないためと考えられます)。米原市が温水洗浄便座の普及率そのものでNo.1というわけではない、という点はご了承ください。そのうえで、普及率と関わりの深い「持ち家率」という隣接指標で県内の傾向を見てみましょう。

滋賀県「令和5年住宅・土地統計調査 結果概要(滋賀県)」によると、市町別の持ち家住宅率が最も高いのは米原市で90.2%。次いで高島市83.8%、日野町81.6%と続きます。いずれも県平均70.9%を10ポイント以上、上回る水準です。

3市町に共通するのは、共同住宅(マンション・アパート)の割合の低さです。米原市の共同住宅率はわずか7.4%で県内最少。裏を返せば、9割以上が一戸建てということになります。一戸建てが多い土地ほど水回りのリフォームがしやすく、温水洗浄便座のような設備も導入しやすい環境が整っていると考えられます。三世代同居など、持ち家中心の暮らし方が根付く土地という点では、三世代同居率日本一の山形県とも通じるものがあります。

https://www.bestofjapan.jp/sansedai-doukyo-nihon-ichi-yamagata

一方、大津市や草津市など県南部の都市部は、持ち家率が5割台にとどまります。草津市は共同住宅率が55.0%と県内最高で、京阪神への通勤圏として賃貸マンションへの転入も多い土地柄です。ただし都市部の新築マンションは、温水洗浄便座があらかじめ標準装備されているケースも多く、必ずしも普及率の低さに直結するわけではなさそうです。

関連する行政施策・制度

温水洗浄便座そのものを対象にした補助金制度は見当たりませんが、滋賀県には「水回り」への関心が特別に高まった歴史的な背景があります。

きっかけは1977年、琵琶湖で大規模な淡水赤潮が発生した出来事でした。原因のひとつとされたのが、家庭用合成洗剤に含まれるリンです。これをきっかけに、県内の主婦を中心に無リンの粉石けんへ切り替える「石けん運動」が急速に広がりました。1978年にはわずか15%だった石けん使用率が、1980年には70%に達したといいます(出典:「石けん運動」から「エコキッチン革命」へ|琵琶故知新)。

同じ1980年、滋賀県は「琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」を制定し、リンを含む合成洗剤の販売・使用・贈答を規制しました。この運動を通じて、家庭の排水や水回りへの意識が県民に根付いたことは、想像に難くありません(出典:滋賀県「琵琶湖を守る県民の活動、取組」)。

インフラの面でも、滋賀県の下水道など汚水処理人口普及率は99.3%で全国2位(全国平均93.7%)。水回りの設備投資をしやすい生活基盤が整っていることも、温水洗浄便座の普及を後押ししていると考えられます。

暮らしのリアル

滋賀県の"設備好き"は、トイレだけにとどまりません。

滋賀県のFTTH(光回線)の世帯普及率は79.5%で全国1位、パソコンの世帯保有率も73.3%で全国3位です。
琵琶湖のイメージが強い滋賀県ですが、実は暮らしの設備投資に前向きな"住まいの充実県"という、もうひとつの顔を持っています。家計調査から見える都道府県ごとの意外な素顔という意味では、飲酒代支出日本一の東京都の記事も、読み比べてみるとおもしろい発見があります。

https://www.bestofjapan.jp/tokyo-alcohol-expense-japan-ichi

とあるトラベルメディアの記事は、この結果を「琵琶湖の水を惜しげもなく使っての、堂々の1位」とユーモラスに紹介しています。もちろん琵琶湖の水そのものが給水に直接使われているわけではなく、あくまでも比喩表現ですが、水と共に生きてきた滋賀県らしいエピソードとして親しまれているようです。

全国的に見ても、温水洗浄便座はもはや生活必需品になりつつあります。
国内の累計出荷台数は2022年に1億台を突破し、直近(2025年3月末時点)の全国普及率も82.5%まで伸びています(出典:一般社団法人日本レストルーム工業会「トイレナビ」)。滋賀県は、この普及の波をひと足先に走っていた県だったといえそうです。

まとめ

滋賀県の温水洗浄便座普及率日本一は、高い持ち家率と内陸工業県としての経済力という「暮らしの土台」に加えて、琵琶湖の水質を守るために水回りへの関心を育んできた「土地の物語」がかけ合わさって生まれた記録でした。

県内トップの米原市で持ち家率が9割を超えていることや、1970年代の石けん運動といった歴史的背景まで知ると、いつものトイレがちょっと特別なものに見えてくるかもしれません。実家や旅先で滋賀県のトイレに座る機会があれば、この"日本一"のエピソードを思い出してみてください。

出典

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