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1日の食事時間1位は山梨県。30年間ずっと全国より長い"ゆっくり食卓"の中身

2026年10月9日

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1日の食事時間1位は山梨県。30年間ずっと全国より長い"ゆっくり食卓"の中身

1日のうち、食事にどのくらいの時間を使っているか。都道府県別に比べると、いちばん長いのは山梨県です。総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」で、山梨県の1日当たりの食事時間は1時間45分。全国平均の1時間39分より6分長く、長野県と並んで全国1位でした。

たった6分と思われるかもしれません。ところが山梨県のデータを30年分さかのぼると、この「全国より長い」状態は、調べたどの年も変わっていませんでした。どの世代が食卓に長くいるのか、そして統計の「食事」に含まれない山梨ならではの食の時間まで、一次情報をもとにひもといていきます。

山梨の食卓を自宅で味わうなら、郷土料理のほうとうが手軽です。

山梨県の食事時間は1時間45分。全国平均より6分長く1位

まずは数字を確認しておきましょう。

社会生活基本調査は、国民の生活時間の使い方や余暇活動を調べる国の基幹統計調査で、5年ごとに実施されています。最新の令和3年調査(2021年10月20日現在)をもとに、総務省統計局が公表した「社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング」のうち、食事時間の上位と下位は次のとおりです。

順位都道府県1日当たりの食事時間
1山梨県1時間45分
1長野県1時間45分
3秋田県1時間44分
4奈良県1時間43分
5茨城県・栃木県・埼玉県・千葉県・大阪府・鹿児島県1時間42分
―全国平均1時間39分
45北海道・香川県・沖縄県1時間34分

※10歳以上、土日を含む週全体の平均

1位の山梨県・長野県と、最下位の3道県との差は11分です。1週間に換算すると1時間17分、1年では約67時間になります。毎日のわずかな差も、積み重なると小さくありません。

ここで押さえておきたいのが、統計でいう「食事」の範囲です。山梨県統計調査課の結果報告書に載っている行動の分類によると、「食事」には家庭での食事・飲食、外食店での食事・飲食、学校給食、仕事場での食事が含まれます。一方で、おやつなどの間食は「休養・くつろぎ」、交際のための食事・飲食は「交際・つきあい」という別の項目に数えられます。つまり1時間45分は、友人との会食や飲み会を除いた、ふだんの食事の時間ということです。

30年間、どの調査年も全国より長い

山梨県の食事時間が長いのは、令和3年だけの話ではありません。

山梨県が公表した「令和3年社会生活基本調査 結果報告書 ~山梨県民のくらし~」には、平成3年からの推移がまとめられています(こちらは15歳以上の数値です)。

調査年山梨県全国差
平成3年1時間46分1時間37分+9分
平成8年1時間47分1時間39分+8分
平成13年1時間46分1時間39分+7分
平成18年1時間45分1時間40分+5分
平成23年1時間47分1時間39分+8分
平成28年1時間45分1時間41分+4分
令和3年1時間45分1時間40分+5分

報告書は「いずれの調査年も本県が全国より長く、この30年間本県・全国ともあまり変化なく推移している」とまとめています。山梨県の食事時間は、30年間ずっと1時間45分から1時間47分の間におさまっているわけです。

平日も日曜日も、全国より長い

曜日別にみても傾向は同じです。令和3年の10歳以上の数値では、平日の食事時間が山梨県1時間41分に対して全国1時間36分、日曜日は山梨県1時間55分に対して全国1時間48分でした。

休日にゆっくり食べる人が多いというだけでなく、仕事や学校がある平日でも5分長い。ふだんの暮らしのなかに、食卓で過ごす時間が組み込まれていることがうかがえます。

県内の市町村別データはなし。年代別にみると差が開くのは55歳以上

「都道府県内のトップ自治体」まで掘り下げたいところですが、社会生活基本調査の食事時間は都道府県単位の集計で、市町村別の数値は公表されていません。そこで代わりに、山梨県の結果報告書に載っている年代別のデータをみていきます。

年齢階級山梨県全国差
10〜14歳1時間34分1時間29分+5分
15〜24歳1時間24分1時間25分−1分
25〜34歳1時間29分1時間26分+3分
35〜44歳1時間31分1時間28分+3分
45〜54歳1時間38分1時間33分+5分
55〜64歳1時間50分1時間41分+9分
65歳以上2時間4分1時間59分+5分
総数1時間45分1時間39分+6分

※10歳以上、週全体の平均

15〜24歳では全国とほとんど変わりません。差がいちばん大きく開くのは55〜64歳で、全国より9分長くなっています。男性に限ると、55〜64歳の食事時間は山梨県1時間53分、全国1時間40分で、13分もの差がありました。

報告書は、15歳以上では「年齢階級が高くなるほど長くなる傾向」があり、全国もほぼ同様だとしています。つまり食事時間は年齢とともに長くなるものですが、山梨県ではその伸び方が、とくに50代後半から60代前半にかけて大きいということです。

男女別では、山梨県の女性が1時間48分、男性が1時間41分。全国(女性1時間41分、男性1時間37分)と比べると、女性で7分、男性で4分長くなっています。

暮らしのデータで都道府県を比べるなら、健康寿命のランキングを取り上げたこちらの記事もあわせてどうぞ。

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山梨の食卓をのぞく。ほうとう、無尽、そしてすし店

では、山梨県の人たちはどんな食卓を囲んでいるのでしょうか。統計の数字から少し離れて、山梨ならではの食の風景をみていきます。

県民食「ほうとう」は冷めにくい一杯

山梨県を代表する郷土料理が、ほうとうです。

農林水産省「うちの郷土料理」によると、ほうとうは小麦粉を練って平らに切った「ほうとうめん」を、たっぷりの具材とともに味噌仕立ての汁で煮こんだもの。稲作に適さない山間で、米に代わる主食として古くから親しまれてきました。県内全域で通年、日常的に食べられている料理です。

特徴は、めんに打ち粉を付けたまま煮こむため汁にとろみがあり、冷めにくいこと。同じページでは「体が温まる食事」として紹介されています。かぼちゃやじゃがいも、大根、白菜などの具がごろごろ入った熱々の鍋は、急いでかき込むより、ゆっくり味わいたくなる一杯です。

ほうとうは、2007年に農林水産省が選定した「農山漁村の郷土料理百選」の1つで、山梨県が次世代への継承に取り組む「特選やまなしの食」47品目にも選ばれています。

自宅で試すなら、生めんと味噌がセットになったものが便利です。

飲み会文化「無尽」は、食事時間に入っていない

山梨県の食の話で欠かせないのが「無尽(むじん)」です。

甲州市の移住支援ポータルサイト「甲州らいふ」によると、無尽は古くは互助扶助の民間金融制度だったものが、いつしか飲み会や旅行など、仲間と楽しむ集まりに変わっていったもの。いまでも県内のあちこちで開かれており、毎月いくつもの無尽をかけ持つ人もいるそうです。

ここで先ほどの統計の定義を思い出してください。交際のための食事・飲食は「食事」ではなく「交際・つきあい」に数えられます。つまり、仲間と料理を囲む無尽の時間は、1時間45分には含まれていないということです。

山梨県の食事時間の長さは、飲み会や会食によって底上げされた数字ではありません。ふだんの食卓そのものが、全国より長いということになります。

人口当たりのすし店数も日本一

海のない山梨県ですが、食べることにまつわる意外な日本一がもう1つあります。

山梨県統計調査課の「山梨県の日本一」によると、山梨県のすし店数は人口10万人当たり25.1事業所(2021年、令和3年経済センサス-活動調査)で日本一。同じページには、1日当たりの食事時間とならんで、この数字も山梨の日本一として紹介されています。

山梨県はワインの産地としても知られています。ワイナリーが集まる甲州市については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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富士山のふもとに広がる市町村のトリビアはこちらです。

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まとめ

1日当たりの食事時間の日本一は山梨県で、令和3年社会生活基本調査の数値は1時間45分。全国平均より6分長く、長野県と並ぶ1位でした。

平成3年からの30年間、どの調査年も全国より長く、平日・日曜日のどちらでも全国を上回っています。年代別では55〜64歳で全国との差が最も大きく、とくに男性は13分の開きがありました。しかも統計上の「食事」には、無尽のような仲間との会食は含まれていません。山梨県の1時間45分は、ふだんの食卓で積み重ねられた時間です。

次の食事では、少しだけ箸を置く時間を増やして、山梨流の"ゆっくり食卓"を試してみてはいかがでしょうか。

山梨の味をお取り寄せするなら、こちらもどうぞ。

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