外国人観光客の訪問者数で全国No.1を誇るのが東京都です。しかもこれ、たまたま今年トップだったわけではありません。
その中でも都内No.1エリアとされているのが渋谷。スクランブル交差点を中心に、世界中から旅行者が集まり続けているのです。なぜこれほど渋谷に外国人旅行者が集中するのか、実際に訪れて楽しむ方法まで、じっくり紹介していきます。
東京都が外国人観光客訪問者数日本一である理由
まずはデータから見てみましょう。
観光庁「宿泊旅行統計調査」(2024年)によると、外国人延べ宿泊者数の都道府県別ランキングは、1位が東京都で5720万120人泊。2位の大阪府(2533万6000人泊)に2倍以上、3位の京都府(1661万3290人泊)には3倍以上という大差をつけています。4位は北海道(965万1540人泊)、5位は沖縄県(732万7960人泊)で、東京都は日本人・外国人を合わせた延べ宿泊者数でも1億1097万7440人泊で全国1位。名実ともに「日本一の宿泊都市」といえる存在です。
では、なぜこれほど東京都に外国人旅行者が集中するのでしょうか。
理由のひとつは、国際的な玄関口としての強さです。成田・羽田という2つの国際空港を抱え、世界各都市からの直行便が集中する日本最大の航空ネットワークの拠点になっています。もうひとつの理由は、都市機能の集積です。多言語対応が進んだ商業施設や免税店、鉄道網が複雑に絡み合う巨大ターミナル駅、伝統文化と最先端カルチャーが同居する街並みまで、旅行者が求める要素がひとつの都市に凝縮されています。「アクセスの良さ」と「体験の幅広さ」の掛け合わせこそが、外国人観光客訪問者数日本一を生み出した理由といえるでしょう。
都内No.1エリアは渋谷でした
東京都のなかでも、外国人旅行者に最も選ばれているエリアはどこでしょうか。
東京都産業労働局「令和6年国・地域別外国人行動特性調査結果」(2025年1〜12月、外国人旅行者1万6008人を対象に実施)によると、都内の訪問先ランキング1位は渋谷で、訪問率は60.3%。2位の銀座(54.1%)、3位の東京駅周辺・丸の内・日本橋(51.8%)、4位の新宿・大久保(50.8%)を上回り、2022年の調査開始以来4年連続でトップの座を守り続けています。
同調査では、訪都外国人1人あたりの都内旅行中支出額(推計)は19万9874円で、前年の18万2390円から9.6%増加。満足度は86.8%、再訪意向は85.9%といずれも高水準で、渋谷を含む都内観光の満足度が数字にも表れています。
渋谷がここまで支持される理由の中心にあるのが、渋谷駅前のスクランブル交差点です。1968年に日本へスクランブル交差点という仕組みが伝わって以来、全国に300カ所以上が整備されていますが、そのなかでも渋谷駅前を行き交う人の数は「世界一」とも呼ばれます。1日の最大通行人数は約50万人、1回の青信号で横断する人の数は約3000人にのぼり、これだけの人数が交錯しながらもぶつからずに渡っていく光景そのものが、海外メディアやSNSを通じて世界中に拡散されてきました。都内を訪れる欧米客の6〜7割が渋谷スクランブル交差点に足を運ぶとされ、渋谷というエリア全体の知名度を押し上げる象徴的な存在になっています。
スクランブル交差点とSHIBUYA SKYで味わう渋谷らしさ
渋谷を訪れた旅行者がまず向かうのが、渋谷駅ハチ公口前のスクランブル交差点とハチ公像です。
ハチ公像は、1920年代に亡くなった主人の帰りを渋谷駅で9年間待ち続けた秋田犬ハチ公にちなんだ像で、もともとは日本人にとっての定番の待ち合わせ場所でした。今では待ち合わせ以上に、記念撮影のために順番待ちの列ができる撮影スポットとしての役割が大きくなっています。
その交差点を真上から見下ろせるのが、2019年11月に開業した展望施設「SHIBUYA SKY」です。地上約230mに位置し、屋上には国内最大級となる約2500平方メートルの展望空間が広がります。「SKY EDGE」「CLOUD HAMMOCK」「GEO COMPASS」「CROSSING LIGHT」という4つのエリアで構成されており、眼下に広がるスクランブル交差点の人の流れから、天気の良い日には富士山まで見渡せる眺望まで楽しめます。地上と上空、両方の視点でスクランブル交差点を体験できることが、渋谷ならではの楽しみ方といえるでしょう。
進化し続ける渋谷:渋谷横丁とMIYASHITA PARK
渋谷は「変わり続ける街」としても知られています。その象徴が、2020年夏に開業した複合施設「MIYASHITA PARK」です。
渋谷駅の北東側、宮下公園を再整備する形で誕生したこの施設は、屋上の公園エリアと商業施設、ホテルが一体となった構成で、北街・南街を合わせて約90店舗が並びます。なかでも人気なのが、1階に広がる「渋谷横丁」。全長約100mの通路に、和食・洋食・中華から居酒屋、ライブバーまで約20店舗が軒を連ね、北海道から九州・沖縄まで全国各地のご当地グルメを一カ所で味わえる、昭和の横丁文化を現代に蘇らせた空間になっています。
海外の旅行者にとっては、スクランブル交差点やSHIBUYA SKYで渋谷の「熱狂」を体感したあと、渋谷横丁で日本各地の食文化に触れるという流れが、街歩きの定番コースになりつつあります。
人気の宿・周辺エリア
渋谷エリアで長年親しまれているのが、渋谷駅直結の「Shibuya Excel Hotel Tokyu」や、渋谷を象徴する三角形の建物として知られる「セルリアンタワー東急ホテル」です。いずれも駅から歩いてすぐという利便性の高さから、初めて渋谷に泊まる旅行者にも選ばれています。
MIYASHITA PARK内にもホテルが併設されており、渋谷横丁での食事や交差点周辺の散策を終えたあと、そのまま徒歩で宿に戻れる手軽さが魅力です。
渋谷から少し足を延ばせば、都内訪問先ランキングで2位となった銀座、3位の東京駅周辺・丸の内・日本橋、4位の新宿・大久保もいずれも訪問率50%を超えるエリア。渋谷を拠点に、地下鉄一本でこうした人気エリアを周遊できる点も、東京観光ならではの強みです。
季節・アクセスのベストタイミング
渋谷駅は、東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線、JR山手線・埼京線・湘南新宿ラインが乗り入れる一大ターミナル駅です。成田空港からはJR成田エクスプレスで渋谷駅まで直通で行くことができ、羽田空港からは京急線や東京モノレールを乗り継いで約50分で到着します。
一年を通じて楽しめる街ですが、外国人旅行者のあいだで特に評判なのが雨の日のスクランブル交差点です。晴れた日にはただの人混みに見える光景も、雨が降ると一変します。高い位置から見下ろすと、交差点いっぱいに色とりどりの傘が咲いたように広がり、迫力のある一枚が撮れることから、あえて雨の日を選んで渋谷を訪れる旅行者も少なくありません。
定番の撮影スポットは、渋谷駅と渋谷マークシティを結ぶ連絡通路や、交差点を見下ろせる位置にあるスターバックス。窓際の席から交差点全体を見渡しながら撮影できるとあって、リニューアル以降さらに多くの外国人客でにぎわうようになりました。こうして撮られた「傘の交差点」の写真がSNSで拡散され、また次の旅行者を呼び込むという好循環が、渋谷の人気をさらに押し上げています。夜であれば、SHIBUYA SKYから見る渋谷の夜景も見逃せない体験です。街の明かりが最も美しく映える時間帯として、多くの旅行者が閉館間際の時間帯を選んで訪れています。
まとめ
東京都の外国人観光客訪問者数日本一は、成田・羽田という国際的な玄関口と、多言語対応が進んだ都市機能という「アクセスの強さ」が支えた記録でした。
その中で都内No.1エリアとなった渋谷には、世界一とも呼ばれるスクランブル交差点の知名度だけでなく、SHIBUYA SKYが見せる上空からの絶景、そして渋谷横丁やMIYASHITA PARKが体現する「変わり続ける街」としての物語が詰まっています。次に渋谷を訪れる機会があれば、地上と上空、それぞれの視点から、世界中を惹きつけるこの街の熱量を確かめてみてください。
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