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【都道府県ランキング】持ち家率1位は秋田県!その理由と暮らしのリアル

2026年7月25日

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【都道府県ランキング】持ち家率1位は秋田県!その理由と暮らしのリアル

持ち家率で日本一なのが秋田県です。
数字の裏には、全国屈指の地価の安さと、雪国ならではの住まい方があります。なぜこの数字が生まれたのか、県内トップの自治体の実情、行政の取り組みまで、じっくり深掘りします。

秋田県が持ち家率日本一である理由

総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、秋田県の持ち家住宅率は77.1%で全国1位です。
全国平均は60.9%なので、実に16.2ポイントも上回っている計算になります。2位の山形県(75.0%)、3位の富山県(74.9%)も僅差ではなく、秋田県が頭ひとつ抜けているのが実情です。

なぜこれほど持ち家率が高いのか。理由は大きく2つに整理できます。

1つ目は、地価の安さです。秋田県の宅地の平均価格は全国でもっとも安い水準にあり、全国平均の3割以下ともいわれています。
手頃な価格で広い土地付きの一戸建てを取得できることが、持ち家率の高さを支える最大の要因です。実際、秋田県の一戸建率は79.4%で全国1位。住宅の構造でも木造率88.8%で全国1位となっており、「土地が広く、木造の一戸建てを建てて住む」というスタイルが県内に根付いていることがわかります。

2つ目は、雪国ならではの住まい方です。秋田県は日本海側の豪雪地帯で、共同住宅(マンション・アパート)の割合はわずか18.6%と全国最下位
積雪や除雪のしやすさもあり、昔から一戸建てが選ばれてきました。加えて、夫婦二人の収入で住宅ローンを堅実に返済し、二世帯・三世代で同居することで住居費を抑えるという合理的な暮らし方も、地方に根強く残っています。秋田市でも、多世帯家族の同居を後押しする住環境整備の補助制度を設けており、こうした「持ち家+同居」の暮らし方を行政も支援している形です。

数字を裏付けるように、秋田県は世帯の住宅所有率(73.8%)・土地所有率(68.6%)でも全国1位です。持ち家を「単に借りずに済んでいる」だけでなく、土地ごと自分のものにしている世帯が多い、というのが秋田県の暮らしの実態といえます。

県内トップは美郷町でした

秋田県内でも、市町村ごとに持ち家率には差があります。
総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(表3-2-1、住宅の所有の関係別住宅数)をもとに持ち家率を計算すると、県内トップは美郷町で95.0%。2位はにかほ市で90.9%と、こちらも僅差の高水準です。県庁所在地の秋田市(67.7%)と比べると、実に27ポイント以上の差がついています。

美郷町・にかほ市に続くのは、湯沢市(88.7%)、男鹿市(88.5%)、鹿角市(86.9%)、仙北市(86.0%)、三種町(85.6%)、北秋田市(85.4%)、潟上市(83.6%)と続きます。
いずれも県内でも人口規模が比較的小さく、郊外や中山間地域を抱える自治体です。秋田市のような都市部では共同住宅や借家に住む世帯が一定数あるのに対し、郡部では「持ち家の一戸建てに住むのが当たり前」という土地柄が色濃く残っていることがうかがえます。なお、このデータは県内25市町村のうち人口規模の大きい15市町村分で、規模の小さい町村は対象に含まれていません。

美郷町は秋田県南部、仙北平野南東部に位置する町で、2004年に千畑町・六郷町・仙南村が合併して誕生しました。
町内には114カ所もの清水が湧き、名水百選にも選ばれた「水の郷」として知られ、東北有数の規模を誇るラベンダー園でも人気を集めています。認定こども園の導入や高校生までの医療費無償化など子育て支援も手厚く、豊かな水と暮らしやすさが持ち家中心の定住スタイルを支えてきたと考えられます。

2位のにかほ市は秋田県南西部の日本海沿岸に位置し、南には鳥海山がそびえ、松尾芭蕉が「奥の細道」で目指した最北の地として知られる象潟を抱える町です。電子部品メーカーTDKの企業城下町としての顔も持ち、比較的温暖で雪の少ない沿岸部という地理条件も、一戸建て中心の住まい方を後押ししてきたと考えられます。

関連する行政施策・制度

秋田県内の自治体は、持ち家取得や移住・定住を後押しする支援制度を数多く用意しています。
県全体としては、移住支援金として単身者に最大50万円、世帯には最大100万円を支給する制度があり、18歳未満の子どもがいる世帯には市町村によって加算がある場合もあります。

県内トップの美郷町では、認定こども園制度を全国に先駆けて導入したほか、乳幼児から高校生までの医療費が原則自己負担なしとなっており、子育て世帯が定住しやすい環境づくりを進めています。こうした子育て支援の手厚さも、持ち家を構えて長く住み続けようという判断を後押ししていると考えられます。

2位のにかほ市では、空き家バンクに登録された物件を購入する若年夫婦や子育て世帯に最大50万円の家族移住定住支援金を用意しているほか、家財道具の処分費補助(最大10万円)、住宅金融支援機構の「フラット35」を利用する場合の当初5年間の金利引き下げ、木造住宅の耐震診断・改修工事への補助なども整備されています。

秋田市でも、市外からの移住者や中心市街地の空き家取得者を対象にしたリフォーム補助、多世帯同居のための住環境整備補助など、持ち家取得のハードルを下げる制度が充実しています。

こうした施策の背景には、空き家の増加という課題もあります。秋田県の空き家率は15.8%で、実は全国では22番目、突出して高いわけではありません。ただし空き家数自体は5年前より14.3%増加しており、行政としては「新たに家を建てる・買う」だけでなく、「既存の空き家を活かして持ち家にする」流れをつくろうとしている段階です。

暮らしのリアル

持ち家率の高さは、暮らしの余裕にもつながっています。
専用住宅の1住宅当たり延べ面積は130.66平方メートルで全国4位、1人当たりの居住室の畳数は18.43畳で全国1位です。特に持ち家の延べ面積は152.86平方メートルと、借家(50.70平方メートル)の約3倍。「広い家にゆったり暮らす」というのが、秋田県の持ち家世帯の実感に近いといえそうです。

一方で、高齢化の進行も暮らしに影を落としています。
65歳以上の世帯員がいる世帯は主世帯全体の57.5%を占め、そのうち高齢単身世帯の割合も年々増加傾向です。持ち家であっても、雪下ろしや除雪、老朽化した家の維持管理など、一人で背負うには負担の大きい課題が増えているのも事実です。
こうした事情から、高齢者向けの手すり設置や段差解消といった住宅設備の普及率も、令和5年時点で59.0%まで上昇しています。「持ち家を持つこと」と「持ち家に安心して住み続けること」は別の課題であり、秋田県ではその両方への対応が同時に進んでいる、というのが暮らしのリアルな姿です。

まとめ

秋田県が持ち家率日本一である背景には、全国屈指の地価の安さと、豪雪地帯ならではの一戸建て中心の住文化、そして二世帯・三世代同居という合理的な暮らし方がありました。

県内でもっとも持ち家率が高いのは、水の郷として知られる美郷町。僅差で続くにかほ市も、鳥海山や象潟といった自然・歴史資源に恵まれた土地柄が、持ち家中心の暮らしを後押ししています。行政も移住支援金や子育て支援、空き家活用の補助制度を通じて、この「持ち家文化」を次の世代へつなげようとしています。数字の1位だけでなく、その裏にある土地柄や暮らしの工夫まで知ると、秋田県という土地の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。

出典

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