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ヨーグルトの年間支出額日本一は茨城県。牛乳は36位の水戸市が、ヨーグルトだけ全国1位になる理由

2026年9月15日

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ヨーグルトの年間支出額日本一は茨城県。牛乳は36位の水戸市が、ヨーグルトだけ全国1位になる理由

日本でいちばんヨーグルトにお金を使っている街は、どこだと思いますか?

牛乳が有名な北海道か、健康志向の高そうな都市部か。総務省「家計調査」の最新データで全国トップに立っていたのは、茨城県水戸市でした。しかもおもしろいのは、同じ売り場に並んでいる牛乳では36位と平均以下にとどまっている点です。乳製品全般が好きな街ではなく、ヨーグルトだけが突出している。この偏りをたどっていくと、県内一の酪農地で「ヨーグルトで乾杯」する条例まで制定してしまった、ある街にたどり着きます。

ヨーグルトの年間支出額日本一は茨城県水戸市

まず、データを確認しましょう。

総務省統計局が公表している「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)」によると、ヨーグルトの1世帯当たり年間支出金額は、水戸市が1万7,665円で全国1位でした。全国平均は1万4,105円ですから、その1.25倍にあたります。

上位の顔ぶれは次のとおりです。

  • 1位 水戸市 1万7,665円
  • 2位 さいたま市 1万7,175円
  • 3位 山形市 1万7,109円
  • 4位 福島市 1万6,160円
  • 5位 浜松市 1万6,041円

このランキングの対象は、47の都道府県庁所在市に川崎市・相模原市・浜松市・堺市・北九州市を加えた52都市です。つまり水戸市は、全国の主要都市を並べたなかで頂点に立っていることになります。

単年で見ても、水戸市の強さは安定しています。茨城県が公表している水戸市の家計調査結果によると、ヨーグルトの支出額と全国順位は2023年が1万7,998円で1位、2024年が1万7,463円で3位、2025年が1万7,534円で2位。3年連続でトップ3に入り続けた結果として、3カ年平均で首位に立ったというわけです。

なお、家計調査の「支出金額」は、あくまでヨーグルトの購入にかけた金額です。高いヨーグルトを選ぶ家庭が多いのか、買う回数そのものが多いのかまでは、この数字だけでは判断できません。

牛乳は36位。水戸の「ヨーグルトだけ日本一」という偏り

ここからが、この日本一のおもしろいところです。

同じ「乳卵類」のなかで、水戸市のほかの品目がどうなっているかを同じランキングで確認すると、こうなります。

  • ヨーグルト 1万7,665円(1位)
  • 乳製品(合計) 2万8,338円(4位)
  • 牛乳 1万4,872円(36位)
  • 乳卵類(合計) 5万5,572円(16位)

牛乳は全国平均の1万5,836円を下回り、52都市中36位。乳卵類全体でも16位にとどまります。それなのにヨーグルトだけが1位。水戸市は「乳製品をたくさん買う街」ではなく、「ヨーグルトを選ぶ街」なのです。

しかも乳製品の支出2万8,338円のうち、6割以上をヨーグルトが占めています。牛乳を1本手に取るところで、この街の人はヨーグルトに手を伸ばしている。統計の並びから、そんな買い物の風景が見えてきます。

水戸といえば納豆の街としても知られ、2025年の納豆の支出額は7,314円で全国2位でした。発酵食品を好む土地柄と結びつけたくなるところですが、家計調査はあくまで金額を集計したもので、その理由までは公表されていません。ここは「そう読みたくなるデータがある」という段階にとどめておきます。

茨城のヨーグルトを支えるのは、県内一の酪農の街・小美玉(おみたま)市

では、水戸の食卓を支える茨城のヨーグルトは、どこでつくられているのでしょうか。

小美玉市の公式サイトによると、茨城県は生乳生産量が全国8位の酪農地域で、なかでも小美玉市は県内一位の生乳生産量を誇ります。茨城空港のある、県内有数の酪農地帯です。

この街のヨーグルトへの本気度は、条例にまで表れています。
小美玉市は平成26年(2014年)に「小美玉市乳製品で乾杯を推進する条例」、通称「ヨーグルトで乾杯条例」を全国で初めて制定しました。市の公式サイトには、結婚披露宴でもヨーグルトで乾杯が行われていると記されています。ビールでもシャンパンでもなく、ヨーグルトでグラスを合わせる披露宴を想像してみてください。

さらに平成30年10月20日・21日には、全国初となる「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」を開催しました。会場は市内の四季の里。北は北海道から南は九州まで、全国各地のご当地ヨーグルト100種類が集まる催しで、100種類のヨーグルト総選挙や28メーカーによる物産展が行われています。

そしてこのサミットの一環で市の酪農家・ヨーグルト工場・映像クリエイターが協力して制作した映像作品「小美玉ヨーグルトストーリー」は、1964年から続く全国広報コンクールで特選に選ばれ、総務大臣賞を受賞しました。茨城県内の自治体としては初の、映像部門全国第一位です。

受賞にあたって当時の島田穣一市長は、先人の教えである「土・牛・人の共生」にふれています。乳牛の堆肥で農地を肥やし、その土地で育てた飼料で牛を育てる。この循環型酪農から生まれる生乳が、小美玉のヨーグルトの土台になっているというわけです。

支出額日本一の水戸市と、生乳生産量が県内一位で条例までつくった小美玉市。茨城県のヨーグルトは、買う側と つくる側の両方に日本一級の熱量がある、めずらしい県だといえます。

小美玉のヨーグルトを味わうなら、この2カ所

数字を見たら、次は実際に味わってみたくなります。小美玉市とその周辺には、ヨーグルトを目当てに訪ねる価値のある場所があります。

1カ所目は、小美玉市山野1628-44の「空のえき そ・ら・ら」です。
地産地消レストランと農産物直売所を備えた施設で、なかにある「ヨーグルトハウス」で「おみたまヨーグルト」を味わえます。公式サイトでは、搾りたての新鮮な生乳を贅沢に使った、濃厚なコクともっちりなめらかな口当たりが特徴と紹介されています。営業日は年中無休(施設修繕日・年始を除く)で、5月・8月・11月・2月の第3月曜日と1月1日〜3日が休みです。

このおみたまヨーグルトをつくっているのが、小美玉ふるさと食品公社です。原料は栄養バランスの良い小美玉産の生乳で、飲むヨーグルト、ヨーグルト、プリン、アイスクリーム、ギフトセットなどを製造しています。乳酸菌にこだわった「からだ想いヨーグルト」といった商品も並びます。

2カ所目は、同じ茨城県内の守谷市にある「明治なるほどファクトリー守谷」です。
株式会社明治の乳製品の工場で、見学ツアーの所要時間は約70分、入館料は無料。館内の「みるく館」には映像広場や工場見学ストリート、搾乳体験などがあり、乳製品ができるまでの流れを体験しながら学べます。

見学は完全予約制で、月曜日から金曜日の実施です。土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始などは休館となります。2名から10名の個人はWEB予約、1名の場合は電話予約で、いずれも見学日の1カ月前から受け付けています。なお安全上の理由から、4歳未満は工場敷地内へ入場できません。

営業時間や見学の受付状況は変わることがあります。訪れる前に、各施設の最新情報を確認してください。

お取り寄せ・関連リンク

おみたまヨーグルトは、小美玉ふるさと食品公社の公式サイトでオンラインショップが用意されており、現地まで足を運べなくても取り寄せられます。飲むヨーグルトやギフトセットもあるので、日本一の街の食卓を自宅で試してみるのもおもしろいはずです。

冷蔵配送の商品は、季節や在庫によって取り扱いが変わることがあります。購入前に各サイトで最新情報を確認してください。

▼あわせて読みたい(家計調査から見えた日本一)

まとめ

ヨーグルトの年間支出額日本一は、茨城県水戸市。1世帯あたり17,665円という数字は、全国平均の1.25倍にあたります。しかも牛乳は36位、乳卵類全体でも16位。この街が特別に選んでいるのは、乳製品ではなくヨーグルトそのものでした。

そしてその背景には、生乳生産量が県内一位で、全国で初めて「ヨーグルトで乾杯条例」を制定し、全国ヨーグルトサミットまで開いてしまった小美玉市があります。買う日本一とつくる日本一が、同じ県のなかで向かい合っている。ヨーグルトという地味な品目のランキングが、そんな県の姿を映し出していました。

次にスーパーでヨーグルトのふたを開けるときは、茨城の牧場と、乾杯にヨーグルトを選ぶ披露宴のことも、少しだけ思い出してみてください。

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